捨てるのではなく、会いに行きたくなる-「廃棄物」に愛着を持つための環境教育ワークショップ設計-
- 2025年2月25日
- 読了時間: 5分
更新日:5月15日
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DATA
■実施日時: | 2024年08月18日(日曜日)11:00 - 12:00 |
■プロジェクト名: | |
■実施場所: | Panasonic Creative Museum AkeruE |
■仕様: | 事前予約制ワークショップ/時間60分/定員25名/小学2年生以上対象 |
■ 担当範囲: |
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■ゲスト: | 敬称略 鵜久森 洋生(松山工業株式会社 ) 野崎 ゆうか(株式会社クロップオザキ) |
■素材協力: | 順不同、敬称略
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本ワークショップについて
製造工程で生まれる「端材(はざい)」を、単なる不用品ではなくキャラクター(はじっこ)として捉え直し、自作の家型ポーチでまるで生き物を捕まえるように「採集」する体験型ワークショップ。自社で生産ラインや、素材卸を行っている松山工業株式会社・鵜久森氏らと協働し、素材へのまなざしを変えるマインドセットの構築を目的として設計・実施しました。
■目的/狙い
「正しい知識」の伝達だけではなく、「身体的な愛着」によって、人の廃棄に対する意識は変えられないか?
■課題感
多くの環境教育は「地球環境のために」という旗印のもと、ネガティブ情報のインプットを行い、義務的なマインドセットを維持したまま、子どもたちがワークに向き合うことになる、という点を課題と感じていました(インプット自体は正しいことです)。
しかしその設計思想のみのワークだと、[ ワクワク<義務感 ]となり、子どもたちは学校などで見知った定型文・姿勢・事実を披露・相互確認するだけの画一的な場となり、子どもたちへの刺激や想いの醸成にはつながっていかず、学習効果も伸びづらいと考えました。
現実は知りつつ、なるべく義務感やネガディブ感をステルス(表面上のみ隠し)し、廃棄物への意識変容をワクワクした行為に変えていけないか、という狙いで設計することとしました。
■設計方針
本プロジェクトは、そのワクワク感の醸成のために、「昆虫採集」のメタファーをプログラム全体のプロットとし、廃棄物である材料の端材を「はじっこ」という、今回採集すべき「愛すべきターゲット」と設定。子どもたちに、はじっこそれぞれを廃棄物ではなく、それぞれ個性を持った、魅力あるものたちという世界観を徹底し、導入、演出、空間デザイン、プロダクトデザインを行いました。
捨てるのではなく、会いにいきたくなる。
本プロジェクトは、「出会い方のデザイン」という、自発的な愛着を育むプロセス実験であり、企業のSDGs文脈において、『捨ててはいけない』という義務感を『捨てたくない』という情緒的価値へ変換する、サーキュラーエコノミーの寄り子ども目線に寄り添ったアプローチであるといえます。
ソリューション&プロセス
専門家・当事者の想いをストーリーラインに載せる
マインドセット(心構え)の醸成から行いました。
端材を利用しようという単なる「説明・指示」ではなく、背景(端材が発生する工程、どのような扱いか、どんな魅力があるのか)を、当事者が熱く語り、参加者をはじっこのストーリーラインに案内します。
鵜久森氏(松山工業株式会社、写真左)、野崎氏(株式会社クロップオザキ、写真右)
3Dプリンタ製ポーチによる愛着のブーストと、独自体験化
採集した端材を入れるケースは、「虫カゴ(管理・閉じ込める檻)」ではなく「家(愛着・ともに生きる仲間)」というメタファーを選択しました。
3Dプリンターによる筐体設計を行うことで、イベント現場での組み立て時間を最小化しつつ、「自分の手で作り上げた」という達成感を得ることができ、独自のブランド体験へと昇華。キット化による多拠点展開も視野に入れた設計としています。
「不自由さ」によって、価値へと変換させる
空間デザインとして、素材をあえて取りにくい場所(什器の隙間や筒の中)に配置を行いました。
手を伸ばし、探すという昆虫採集をするような「身体的アクション」を介在させることで、苦労や一点もの感を演出し、どこにでもある端材を「自分が見つけた唯一の宝物」へと昇華させます。

採集前に今回用意した端材の特徴を図鑑化した小冊子を配布。それを手元に採集に行く。
「工作の複雑化」より「簡易的な工作」での視点の転換を
とってきた端材への工作要素は、目や口をつけるという最小限の操作のみとしました。「視点が変われば世界が変わる」という思想を体験として持ち帰ってもらうため、「複雑な工作工程」をあえて行わない設計としました。
結果 / 導入・活用イメージ
参加者の意識変容
事前予約制であり、当日は満席状態だったが、事前の反響も多かったため、急遽増席。
工作自体の難易度は低いため、年齢が低い参加者でも満足度が高く、また専門家の知見を体験することができる構成でもあったため、保護者からのアンケート評価もかなり高いワークショップとなりました。
参加者からは「帰り道に落ちているものまで愛おしく見えた」といった、日常の視点が変化したというフィードバックを多数得ることができました。
廃棄物活用に困っている企業との協働
この「素材との出会い方をポジティブにデザインする」手法は、とくに端材や廃棄物が定期的に発生する自社工場・施設などを持っている企業において流用可能なステップとなっています。
またポーチの形や色などを企業のコーポレートデザインに沿って、カスタマイズすることなども可能な設計になっています。
























